クジラの目

街明かりが揺れながら
一つ一つ消えていく
気づかないで通りすぎた
なにもわからない

いつも通り 目がくらんで
目を覚ますと 部屋のなかで
誰もいない海の底にそっと

沈んでいく

いつかは どこかに 流れて しまって
さよなら 見えなくなって
何かが終わる前に 思い出している